子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)とは

環境省が実施する日本中で10万人のお母さんと赤ちゃんに参加してもらう大規模な調査です。赤ちゃんがお母さんのお腹にいる時から13歳に達するまで、定期的に健康状態を確認させていただき、 化学物質の曝露や生活環境などの環境要因が子どもたちの成長・発達にどのような影響を与えるのかを明らかにしていきます。 2014年3月末に参加者の募集が終了し、全国で103,106  人、宮城ユニットセンターで9,217人の参加同意をいただきました。

環境リスクが私たちの健康に与える影響を明らかにするために、従来から動物実験や基礎研究を中心としたメカニズムの解明が図られてきました。しかし、動物と人間とでは、形態学的、生理学的に大きな違いがあることから、動物実験の結果だけから人間の健康影響を知ることには困難があります。人間に悪影響が生じているのかどうかを、実際に人間の集団で観察する研究方法(疫学調査)が重要になります。

エコチル調査によって子どもたちの成長・発達に影響を与える環境要因が明らかとなれば、リスク管理部局への情報提供を通じ、自主的取組への反映、化学物質規制の審査基準への反映、環境基準(水質、土壌)等、適切なリスク管理体制の構築へとつなげることができます。未来の子供たちが成長し、 安心して子供を育てることが出来る環境を作って行くために、エコチル調査へのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

東北大学大学院医学系研究科環境遺伝医学総合研究センター
エコチル調査宮城ユニットセンターセンター長

八重樫 伸生