子どもの健康と環境に関する全国調査とは
エコチル調査は、環境中の化学物質と子どもたちの成長や健康との関わりを明らかにするため、環境省が主体となり2011年から実施している長期・大規模の疫学(コホート)調査です。
日本国内15カ所のユニットセンターを拠点に、約10万人の妊婦さんとご家族にご参加いただき、お子さんがおなかの中にいる時から13歳になるまで、定期的に健康状態や生活の様子などについておうかがいしています。
宮城ユニットセンターでは、約9,000組のお子さんとご家族にご参加いただいています。
当初は、お子さんが13歳になるまでを追跡して調べる計画でしたが、参加者の皆さんのご協力により多くの成果が報告され、社会的貢献度が高い事業であることが認められたため、13歳以降も調査を継続していくことが決定いたしました。
13歳以降調査について
エコチル調査について
エコチル調査には、参加者全員を対象として実施する「全体調査」、一部の方を対象としてより詳細な知見を得るために実施する「詳細調査」、さらに、各ユニットセンターが独自に行う「追加調査」があります。
全体調査
調査に参加いただいている約10万人全ての方を対象に行う調査です。
- 質問票調査
- 年に2回、お子さんの成長や健康状態、生活環境、生活習慣等についてご回答いただいています。
- 学童期検査
- 小学2年生と6年生のお子さんを対象に、身体計測や精神神経発達検査を行っています。
小学6年生学童期検査について - 疾患情報登録調査
- エコチル調査が対象とする疾患を持つお子さんについて、診断や治療の情報などを調べます。
- 乳歯調査
- 乳犬歯を提供いただき、化学物質などについて調べます(小学4年生)。
詳細調査
エコチル調査の全参加者のうち、2013年4月1日以降に生まれたお子さんの中から無作為に選ばれた5,000人を対象として、健康状態や生活環境について、より詳しく調べます。宮城県では、約440組の方々にご協力をいただいております。
訪問調査
調査員がご家庭にうかがい、居住環境や生活環境を調査させていただきました。(1歳半、3歳時で終了)
医学的検査
指定の病院に来ていただき、健康状態や成長状態について調べます。
精神神経発達検査
指定の会場に来ていただき、認定を受けた検査者による精神神経発達検査を実施します。
追加調査
環境省の許可を得て、各ユニットセンターが独自に行っている調査です。
宮城ユニットセンターでは、追加調査への参加にご同意いただいた方を対象に下記の追加調査を実施しております。
※現在進行中の課題については、協力を拒否することも可能です。その場合も、エコチル調査への参加に関する不利益はありません。
ご連絡先 022-717-8082
整理 番号 | 課題名 | 代表研究者 |
---|---|---|
1 | ヒト胎盤特異的インプリント遺伝子の胎児、胎盤発育への影響と影響を及ぼす要因に関する検討 | 有馬 隆博 |
2 | エコチル調査対象者・夫・その父母を対象とした家庭血圧測定及び環境化学物質の三世代効果の解明 | 目時 弘仁 |
3 | 親の健康/生活習慣への理解度及び行動パターン(食事と身体活動)の子どもの体力への影響 | 永富 良一 |
4 | 妊娠期から育児期にかけての母親の健康及び家族環境が子どもの成長・発達に与える影響に関する研究 | 中村 康香 |
5 | 口腔の健全な発育と疾病予防に関するコホート調査 | 小関 健由 |
6 | 母の母乳分泌と月経再開時期を規定する要因に関する研究:乳がん予防の視点から | 南 優子 |
7 | 母児の心身健康に対する食事中脂質の「質」に関する検討 | 武田 卓 |
8 | 妊婦における農薬類への曝露状況の解明および児の発達との関連 | 上島 通浩 |
9 | エコチル調査祖父母の曝露因子が子どもの健康に与える影響の解明 | 栗山 進一 |
10 | エコチル調査父母の空腹時採血・採血後の速やかな遠心分離による栄養評価と子どもの健康に関する前向きコホート研究 | 栗山 進一 |
11 | エコチル調査父母の詳細な緑茶摂取評価と子どもの健康に関するコホート研究 | 栗山 進一 |
12 | エコチル調査における新生児血中アミノ酸濃度と子どもの健康に関する前向きコホート研究 | 栗山 進一 |
13 | 母体の抗てんかん薬服用が児の発達に及ぼす影響に関する調査 | 中里 信和 |
14 | 妊娠中のカフェイン摂取量と出生体重 | 仲井 邦彦 |
15 | ω3系不飽和脂肪酸摂取の評価による魚摂取のリスクとベネフィット分離の研究 | 仲井 邦彦 |
16 | 妊娠前および妊娠中の服薬が妊娠経過・妊婦の将来の疾患発症および児の奇形・発育へ与える影響に関する検討 | 小原 拓 |
17 | 小児泌尿器科疾患の自然史の解明 | 荒井 陽一 |
18 | 妊娠糖尿病や尿中微量アルブミンと児の発育との関連についての研究 | 目時 弘仁 |
19 | 若年女性の子宮頸がんならびに前がん病変発症への要因の環境遺伝疫学的検討 | 岡本 聡 |
20 | 両親の産後うつの実態と各種弊害の新規抽出 | 西郡 秀和 |
21 | 宮城県沿岸部の低出生体重児の成育に関与する要因についての研究(東日本大震災の栄養、環境の変化について) | 有馬 隆博 |
22 | 多環芳香族炭化水素(PAH)の母体濃度と胎児への影響に関する研究 | 有馬 隆博 |
23 | 児の医薬品・サプリメント使用が児の発育へ与える影響に関する研究 | 小原 拓 |
24 | アレルギー疾患・アレルゲン感作と腸内細菌叢の関連に関する研究 | 下条 直樹 |
25 | 小児特有の化学物質複合曝露メカニズム解明とリスク管理モデルの提案 | 仲井 邦彦 |
26 | 口腔の健全な発育と疾病予防に関する包括的追跡調査 | 小関 健由 |
27 | 母子の体力に与える影響因子:8歳時における包括的検討 | 永富 良一 |
28 | 乳歯硬組織の健全な発育とう蝕予防に関する包括的調査 資料あり | 小関 健由 |
29 | 妊娠高血圧症候群及び低出生体重児のリスク因子と予後の解明に関するメタアナリシス 資料あり | 栗山 進一 |